2023年春NHK朝ドラ『らんまん』主人公のモデル、牧野富太郎博士と著者が交わした手紙の交流の記録
植物研究に携わっていた著者の武井近三郎氏(故人)は、昭和7年、比叡山での植物採集研究会にて牧野富太郎博士と出会い、その頃から博士との付き合いが始まります。東京、高知と離れてはいましたが、博士が亡くなるまで二人の交流は続きました。
届いたはがきや手紙は200通余り。その中から104通を掲載しています。手紙の内容は、植物の葉や苗を送ってほしいというものが多くを占めていますが、そのほかにも歌を詠んだものや、高知への郷愁を綴ったもの、南海大地震(昭和21年)後には長文のお見舞いの手紙も送られています。どの文面からも、植物に真摯に向き合う姿勢の中にユーモラスな、そして愛情深い博士の人柄が伝わってきます。
「いつまでも牧野博士のことを皆さんが忘れることのないように…」という著者の思いとともに、二人の貴重な交流の記録をまとめたものです。
※本著は、1992年に発行された初版本を、牧野富太郎博士生誕160年を記念して、装丁も新しく復刊しました