本著は、1965年の高知新聞連載「星空への招待」を書籍化した、関勉さんの「未知の星を求めて」をもとに、今回新たに「池谷・関彗星からハレー彗星へ」を第五章として加筆し、まとめたものです。
第二次大戦中、真っ暗な地上から見上げた美しく輝く星空。コメットハンター関さんの天文家としての人生は、そこからすでに始まっていました。戦後、天体の道を志し、新しい星を探し求め、90歳を越える今もなお天文家として活躍されている関さんの、星を追い続ける青春の日々が綴られています。
また、関さんだけでなく、彼を取り巻く彗星の探索家たちが真摯に天体観測に向き合う姿も描かれています。観測が成功すると、華やかな結果ばかりが注目されがちですが、その陰には多くの方々の努力があることもあらためて気づかされます。
初版から50年たった現在でも全く色あせていない天体観測の物語であると同時に、一人の青年が夢に向かって進み続ける人生の物語ともいえる1冊です。